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俺が住んでいた場所は
温泉街で、旅館が立ち並んでいた。

そして、母は30代から40代になりかけの頃

歩いて10分程度の大きな温泉旅館で
仲居のパートをしていた。

そして、ある日、夜の9時前に、
どしゃ降りの雨が降って来たので
高校生だった自分が迎えに行くことになった。

入口のリビングでTVを見ながら待ってると、
入って来たコワイヤクザ系の男達に
囲まれる形になり、脱出できなくなった。

50歳位のエネルギーの塊の様な
ヤクザの組長らしき男が、
お母さんの中居姿を目で追い

「あの仲居イイ体してるなぁ~。
今夜抱きたいから、女将を呼べ」

と突然言い出すんだよ


呼ばれた女将さんは話を聞き

「あの仲居はパートの普通の主婦ですよ。
寝たりしません」

と言ったがヤクザらしき親分は

「是非、抱きたい」

と若い男に母を呼びに行かせた。

呼ばれた母は、さすがに緊張して
男のソファーの前に膝まずいた。

「悪いネ!、あんたの色気に参ったよ。
床代は弾むから今夜、相手をしてくれ」

と言うと、母は

「いいえ、私は」

と俯いた。

親分は母の手を取り、さすりながら

「ヤクザとSEXした事は無いだろう?
腰が抜ける程よがらせて、
泣きながら何度も極楽往生させてやるぞ!」

と呟くと母は真っ赤になり、

「すいません」

と小走りに去って行った。

この母の様子を親分の横で見ていた
超イケメンの男が

「あの女、慌てては要るけど、
口説かれて”感じてる”よ。
相当の”好き者”だ。
社長、あの仲居を違い無く今夜抱けますよ!」

と言うと、

「おおっ~、そうか!お前が言うなら間違い無い。
もう一度あの女に話を付けて来い」

と若い者を走らせた。

30分位して、男達が部屋に入った隙に
僕は飛び出し、母を捜したが姿が無く、仲居に聞くと

「とっくに帰ったはずよ」

と言われ、安心して帰った。

家に帰ると父から

「今日、団体客が入り忙しいので旅館に泊まる」

と母からTELがあったと聞いた。

僕は驚き、飛んで旅館に戻って、
女将に全部話すと、
女将さんはしばらく考えた後、
真顔で

「子供が関わる話じゃ無い
お母さんは、ただ、忙しいだけ」

と、恐ろしく落ち着いて言われたので、
僕は一言も返せず帰った。

帰り道、母は本当にヤクザに
関わっていないかマジ気になった。

でも母にあのヤクザの親分とSEXしたのか?

なんて聞けるはずもないし・・・

真相は闇のなか

息子である自分自身も
今となっては真実を知るのが怖い